朝になると症状が現れる

「朝になると痛みなどの症状が現れる」という方、いませんか?
今回のブログは、朝に症状が現れるのは、どの臓腑の虚なのか?…を東洋医学的な見方で解説していきます。
結論から言うと「肝虚(=肝の力が弱まった状態)」です。
それぞれの臓腑には、陰的作用と陽的作用があって、この2つの作用によってバランスが保たれています。
①肝の陰的作用
肝には血を引き寄せる収斂(シュウレン)という力があり、それにより血が蓄えられます。この働きが「臓血(ゾウケツ)」と呼ばれるものであり、肝が持つ陰的作用と言えます。ちなみに酸味のある食べ物(例:酢の物)は、肝の収斂作用を強めると言われています(これを古典では、肝は酸を欲すという)
②肝の陽的作用
肝には朝方に旺気し蓄えた血を体の各部位に分配するという「発生」作用があります。これが肝の陽的作用であります。
つまり、肝は収斂という力によって血を蓄え(=蔵血作用)、その蓄えた血を朝方に体の各部位に分配させているのです(=発生作用)。これが正常な営みなのですが、肝虚の人はこの機能が低下した状態あります。従って、朝になっても発生作用がうまく機能せず、血の分配が不十分となってしまうため、痛みなどの症状が現れてしまう…という事なのです。
(注)これはあくまでも一例であり、朝方に現れる症状が、全て肝虚というワケではありません。
26回の閲覧0件のコメント