
鍼灸について
施術をする際「鍼灸は初めてです」という方によく遭遇します。やはり「鍼灸」はマイナーな世界なんだな〜と感じます。そもそも鍼灸は、古代中国で生まれ発展してきた医術ですが、そこには「陰陽五行」という中国独特の哲学思想が盛り込まれています(それがまた難しいのですが…)。今回はその点については触れず、今現在、日本において定着している鍼灸についてザックリと説明したいと思います。
日本の鍼灸を大きく3つに分けると、①現代鍼灸 ②中医学 ③経絡治療となるでしょう。それぞれを端的に解説しましょう。
①現代鍼灸
例えば、肩コリに対しては肩周辺の筋肉に鍼を刺し、筋緊張の緩和および血流改善を行う事でコリを取り除く…という方法で、要するに西洋医学的アプローチをする鍼灸です。
②中医学(ちゅういがく)
現在の中国で行われている伝統鍼灸の事。専門学校の教科書はこの中医学をベースに書かれているので、当然、国家試験の問題はこの中医学が主となります。
③経絡治療(けいらくちりょう)
日本鍼灸の巨人、柳谷素霊(やなぎやそれい)先生の「古典に還れ」の言葉のもと、そのお弟子さん達により体系化された鍼灸です。
僕が感じるのは、日本の鍼灸は①が多い気がします。…まあ、それはさておき。ブログを読んでいる方の中には、こんな疑問を持つ方もいるでしょう。
「鍼灸は古代中国でできたんでしょ? ②と③はどう違うの?」
鍼灸の原典は「黄帝内経(こうていだいけい)」という書物なので、基本的に②も③もほぼ同じです。しかし、それぞれを深く勉強すると違いがあるのがわかります。具体的にどんな違いか?…というと、 僕の印象ですが、②の中医学は病証の分類を細分化しているのに対し、③の経絡治療は比較的大雑把に病証を分類している…と言ったところでしょうか。
では、MOMUZEでは①〜③のどれを用いて施術をしているのか?…ですが、一応、③の経絡治療をやっています。…とは言えゴリゴリの経絡治療ではありません。状況に応じて①も②も使っています。そこで次回のブログでは、当院の施術はどんな感じでやってるの?…について書きたいと思います。今回はここまで。