
肺と体毛
新潟に来て十数年。早いものです。最近、入浴中にふと気付いた事がありました。「あれ、体毛が少なくなってる…」。東京にいた頃は胸毛やら腹毛やらがモサモサしていたのですが(笑)、それがほとんど無くなっていたのです。 なぜだ? 東洋医学的に考えると「肺は皮毛を主る」と申しまして、肺と体毛は密接に関係しています。僕の体毛が少なくなったのは、これと関係があるのでは?
そこで今回のブログは、その点についての一考察をしたいと思います。かなり専門的な内容なので興味ない方はスルーして下さい。
人間は自然界の一部なので、季節の変化に合わせて身体も変化します。
例えば「夏」は暑いですよね。だから発汗しやすい状態になっており、発汗する事で陽気(身体を温める気)を発散させ、身体に熱がこもるのを防いでいるのです。
他方「冬」は寒いので、できるだけ安静にして陽気の発散を抑える必要があります。東洋医学の原点「黄帝内経(コウテイダイケイ)」にも「冬に汗をかいたらあきまへんで! 身体が冷えまっせ!」と記載されています。
では夏と冬の間の「秋」はどうでしょう。秋は来る冬に備え、徐々に発汗を抑えていく時期であり、言い換えれば「毛穴を閉じるようになる時期」なのです。実はこの毛穴を閉じるという作用(収斂シュウレンと言います)を行っているのが、今回の主役である「肺」なのです。肺は秋に旺気して収斂作用によって毛穴を閉じ、これまで陽気を発散させやすかった「夏用の身体」を、陽気を無駄に発散させない「冬用の身体」へと変化させる、言わば「準備」を行っているのです!
なるほど、肺の働きはわかった。でも僕の「体毛が少なくなった事変」とどう関係しているのか? こんな仮説を立ててみました。
肺の収斂作用が弱い人は、毛穴をしっかり閉じる事ができないため陽気が漏れやすい。だから体毛を増やす事で保温効果を高め、収斂作用の弱さを補っているのでは?
つまり「体毛が多いのは肺の機能(収斂作用)が弱いから」となります。
そう考えると、空気の悪い東京で過ごしていた時の僕は肺が弱い状態だった。でも空気がキレイな新潟に移住した事で肺の機能が回復し、大量の体毛が必要無くなったため少なくなった!…と言えるのかもしれません。
東洋医学に精通した方、どう思われますか?