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足の冷え

冬は特に「足(足首から先の部分)の冷え」を訴える患者様が多いです。そこで今回は足の冷えについて解説します。…とその前に、人体の陰陽について触れる必要があります。


東洋医学では、人の健康は陰と陽のバランスで成り立っていると考えます。陰とはザックリ言えば体を冷やす力であり、これが弱い状態を陰虚(いんきょ)と言います。これに対し、陽は体を温める力であり、これが弱い状態を陽虚(ようきょ)と言います。

陰虚では冷やす力が弱いのだから相対的に陽が強くなって「熱」が発生します。逆に陽虚は温める力が弱いのだから陰が強くなって「冷え」が発生するのです。


「陰虚では熱が発生するのだから、足の冷えは関係ないね」と思われるかもしれません。しかしそんな事はありません。陰虚でも足の冷えは起こります。なぜなら、足は体の末端であり冷えやすい部分だからです。もちろん個人差があるので、冷えを訴える場合もあれば、そうでない場合もあります。他方、陽虚では流石に大半の人は足の冷えを訴えます。しかし同じ陽虚でも、以下の2パターンがあるように感じます。


◆下腿全体が冷えている

下腿(膝から下の部分)を触ってみて全体的に冷たい人がいます。これは下腿に分布する経絡、即ち足三陰経足三陽経(※)の両方が冷えている事を意味しています。人体にとって冷えと熱とでは冷えの方が良くありません。だから、この陰経も陽経も冷えている状態は、次に解説するパターンより、程度が重い病態であると考えられます。

(※)足の三陰三陽経については、過去ブログ「正経流注マッサージ①②」をご覧下さい。


◆下腿内側のみが冷えている

下腿の内側のみが冷たく、それ以外の部分(=前面、側面、後面)が温かいという人がいます。私はこれも陽虚の特徴だと考えているのですが、その理由を解説します。

下図をご覧下さい。下腿の内側には足三陰経が集中的に分布していますが、それ以外の部分には足三陽経が分布しています。「下腿の内側のみが冷たく、それ以外の部分が温かい」という状態は、言い換えれば「足三陰経には冷えがあり、足三陽経には熱がある」という事です。なぜこうなったのか? こんな仮説を立ててみました。

①足三陰経の冷えにより、わずかな熱が足三陽経に追いやられた

②足三陰経が冷えたので、足三陽経に熱を持たせてバランスを保とうとした

足三陰経と足三陽経は表裏関係(陰経が裏、陽経が表)にあります。つまり、脾経は胃経と、腎経は膀胱経と、肝経は胆経と表裏をなして密接に関わっているのです。従って、上記①②はこの表裏関係の間で起こった現象と言えるのではないでしょうか。


さて、この仮説が正しいかどうかはわかりませんが。当院では「足の冷え」にも対応しておりますので、是非、ご来院下さい。

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